高校生・小論文の書き方講座①「小論文と作文の違い」

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小論文講座①

小論文と作文の違い

小論文はテーマを設定して自分の意見(立場)を理由も含めて説明します。そのため、設定したテーマと自分の意見に関してしっかりと客観的な根拠がある文章で読み手を納得させるかどうかがポイントとなります。一方で、作文は体験や感想を書いた文章になります。どの様な感想を持ったかは人それぞれのために内容に関して正解や不正解はありません。ただ、表現方法や書き方はチェックされます。

同じような内容に思えるかもしれませんが、小論文では①「問い」の設定、②自分の立場、③客観的な根拠、④発想力や表現力が求められます。特に、客観性は論理思考の能力が問われる場面であり、独りよがりの文章では点数が高くなりません。

ここまで、読んでもらって感じるのは難しいのではないかと思う点です。でも安心して下さい。小論文は文章を書いていけば誰でも上達します。さらに、高校でも小論文を本格的に指導しているケースが少ないので、高校生の間で大差はありません。しっかりと書き方を学習しましょう。

小論文を書くために注意しなくてはいけないこと

原稿用紙の使い方などは別の講義で実施しますが、小論文を書く際に注意して欲しいのは形を崩さないことです。小論文だから独特な意見を述べれば良いと考える人もいますが、求められているのは客観的な文章になります。そして、400字~800字程度の小論文で独特な文章を書いたうえで、客観的な文章を書くのは困難でしょう。まずは、基本的な文章を書くことを意識してください。

では、まず何を知っておくかといえば、小論文は「序論」「本論(譲歩)」「本論(主論)」「結論」の流れで書くことです。もちろん、基本は大事ですが文章の内容によって形を変えることもできますが、まずは基本を意識して下さい。意外に多くの高校生は基本通りに文章が書けないことが多いです。

まず、序論では「問い」の設定を行います。ただ、そのために問いの背景などを述べるために資料や文章などの読解力が試されていることがわかります。そして、この問いを上手く設定すれば後は文章を書くのは楽になります。なぜなら、本論では自分の意見を書けばよいので客観的な根拠を持って文章を書けば終わりです。もちろん、練習は必要です。そして、結論は添えるだけになります。では、次の問題で実際に考えてみましょう。

(問)小学校の英語教育導入は国際的な人材育成に必要なことですか。

よくある問題ですが、Yes/Noで答えやすい問題です。あなたは、どちらの立場でしょうか?小論文において自分の立場を曖昧にすれば文章が霞みます。そのため、しっかりと自分の立場を表明してください。そして、「YES」でも「NO」でも間違いではありません。あくまで、YES/NOになった理由が客観的かどうかが大事なだけです。

まず、大きく答えになるのは「小学校に英語教育の導入が必要」か「小学校に英語教育の導入は必要ない」の2択になります。もちろん、国際的な人材を育成する画期的な方法などを述べても良いでしょうが、最初は基本に則った形にした方が良いです。

では、①自分自身はどちらの立場か明確にしてください、②その根拠を自分の言葉で書いてください

1番初めの内容なので、文章を難しくするのではなく発想力を身につける練習をしましょう。例えば、「導入に賛成」→「早めに勉強した方が良い」や「導入に反対」→「ネイティブの先生が不足している」など箇条書きで良いので理由を書いていきましょう。そして、その中で自分自身が客観的な文章を書ける内容を選んでもらえれば良いです。

今回の目的は、あくまで小論文を書くための基本的な考え方の第一歩になります。今回の問題の様にYES/NOで答える文章もよく出題されます。どちらの立場か明確にして根拠を考える様にしてください。身近な問題でも普段から根拠を考える癖をもっておくと良いでしょう。例えば、日本とスペインではサッカーの試合をどちらが勝つと思いますか?単純に自国を応援しているから勝って欲しいは感想でしかありません。しっかりと理由をもって客観的に勝敗を言えるかが大事です。もちろん、客観性があっても勝敗はわからないように、小論文も解決策が素晴らしいものではないかもしれません。ただ、客観的に根拠があれば良いのです。

ちなみに、私自身は小学校からの英語教育の導入は反対です。なぜなら、英語教育を早めても英語を使う機会が日常的に少ないためです。この様に根拠があれば対策も見つけやすいでしょう。日常的に英語を使用する機会を増やすことができれば対策にもなります。

まずは、賛成か反対かを考えて、その根拠が何かを考える癖を持ちましょう。それが小論文を書くための一歩になります。

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